今さら恋なんて…



「……別に」


「え?ホントですか?」

あたしの答えに、守本はかなり疑いの目を向ける。


「…一昨日飲み過ぎて、昨日もぼーっとしちゃってたから…その余韻があるだけ」

あたしはそう呟くと、守本の視線から逃れるために、ペットボトルのお茶に手を伸ばした。


「一昨日…遊川様と飲んだ日ですよね?」


「……うん」


「ぼーっとなるまで飲んだんですか?」


「……うん」


“飲み過ぎた”ことも事実だし、“ぼーっとなった”のも事実だけど…“飲み過ぎてぼーっとした”ワケではない。


だけど…あたしは頷いておいた。


その方が…これ以上突っ込まれなくて済むし…。


「んで、飲んだ後、どうしたんですか?」

守本はキラキラした顔でまた質問を投げてきた。



< 281 / 479 >

この作品をシェア

pagetop