今さら恋なんて…



「……」


「店長?」


「……」


「…店長?」


ぐいっ、と目の前に守本の顔がアップになって、あたしは思わず、

「ぎゃっ…」

って、蛙を踏みつぶした様な声を上げた。


「……“ぎゃっ”って…失礼じゃないですか?」

守本はあたしの隣でタバコを吹かしながら、そう文句を言った。


「……ごめん。ぼーっとしてたから…」

あたしは長く伸びていた灰を灰皿に落とすと、そう詫びる。


「何かあったんですか?今日、ここに居る時、ずっとぼーっとしてますよね?」

守本はアイスカフェオレをストローで吸いながら、そう訊いた。


「……」


よく見てる…。


何だよ、この観察眼…。


んま、接客業やってる人間としては必要なものだけど…。



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