今さら恋なんて…



「よかった。…じゃぁ、飲み、付き合ってくれますか?」

龍哉は小首を傾げながら、そうあたしに訊いた。


「うん…」

あたしは龍哉を見上げながらそう返事をする。


「分かりました。…えっと…」


「ん?」


「…洋服…匂い付いても大丈夫ですか?」

龍哉はあたしの姿を上から下まで確認した後、そう訊いた。


「……え?」


どこに連れてく気?


あたしの顔から考えをくみ取ったのか、龍哉は、

「食事もお酒も美味しいけど…服とか髪の毛に匂いが付いちゃうのがちょっと玉に瑕なところがあるんです」

って苦笑いをする。


「……いいよ。どうせ帰るだけのつもりだったし」


「分かりました。じゃぁ、行きましょうか」

龍哉はそっとあたしの背中に手を添えて、あたしを促した。



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