今さら恋なんて…
「おお。フロントマン、いらっしゃい。うわぁ、そのめっちゃ綺麗な人、彼女?」
店に入って開口一番、店員さんに言われた言葉だ。
「……」
色々突っ込みどころ満載だけど…初めて来たお店だから黙っていよう…。
「こんばんは。司さん。あっち、座りましょうか」
「うん」
龍哉に促され、あたしはお店の奥に入っていく。
香ばしい煙と、甘辛い匂い。
がやがやと賑やかに食事やお酒を楽しむ人達。
龍哉があたしを連れてきたのは…焼き鳥屋さんだった。
龍哉と焼き鳥、って全然釣り合わないんだけど…。
「俺、生で。司さん、何飲みます?」
店員さんにおしぼりを渡されながら、龍哉はそう訊いた。
「えっと…あ。ワインあるんだ。じゃぁ、赤ワインをグラスで」
おしぼりを受け取りながらメニューを見て、あたしはそう注文する。