今さら恋なんて…
煙がモクモクしてる背景とは全然釣り合わない綺麗な笑顔。
やっぱり龍哉にはシーフォートの雰囲気が似合うなぁ…。
「どうかしました?」
おしぼりで指先を拭いた龍哉があたしの顔を覗き込む。
「う、ううん。アタルと羽生くんと、一緒にここ来るの?」
「あ、はい。ここ、独身寮から近いですし、美味しいので」
「独身寮…?…に住んでるの?みんな」
「あ。はい。よほど家が近くない限りはだいたいのスタッフは独身寮に入ってますね。寝るためにしか帰れないことも多いので…」
「そっかぁ…大変だね…」
ホテルマンって…ホントに忙しいんだ…、ってあたしはぼんやり考えていた。
「あ」
「はい?」
「…そんなに忙しいんじゃ…今日も早く帰った方が…」
あたしは明日休みだけど、龍哉は仕事だよね?きっと…。