今さら恋なんて…
「……」
図星をつかれ、あたしは思わずそっぽを向いて黙り込む。
…あたし、これじゃただの変態じゃん。
もう、ここは飲むしかないかもっ。
あたしはそう思いながら、赤ワインを喉に流し込む。
「あ。飲み物頼みます?」
龍哉は、さっと手を挙げながらあたしに訊いた。
「うん」
あたしが頷いたところで、店員さんがやってくる。
「熱々だねー。さっきから見つめ合ってばっかりだね。…注文?」
「……」
「……生…と」
「あ。赤のロッシロック」
「かしこまりましたー」
にこにこ顔で去って行く店員さん。
「……そんなに見つめ合ってました?」
「ううん…そんなつもりは…お互い目を見て話す人種だから、ねぇ」
「そう、ですよね…」
自分達の中で納得し合ったあたし達はグラスに残ったお酒を飲み干した。