今さら恋なんて…
年配のお客さんやら外国人のお客さんやら…ちょうどチェックインが重なってしまった様だ。
「……」
年配のお客さんも、外国人の綺麗なお姉さんも龍哉とニコニコしながら会話してる…。
…ってか、絶対今、英語喋ってるなぁ、龍哉…。
お客さんを迎えに来たベルボーイとも少し言葉を交わしたりして…。
普通のホテルだと、従業員はインカム付けてたりするけど…ここはしてないのかな?…インカム付けてなくても、空気読むだけで完璧な仕事してるってこと?
それってすごくない…?
そんなことを考えていた時、ふとこちらを見た龍哉が、苦笑いと意地悪な笑みの混ざった様な微笑みを投げかけてくれた。
「……」
…いつから気付いてた…?
今?それとも…あたしが玄関をくぐった時から…?
「……」
何か恥ずかしい…。
観察してたの…バレちゃった…。
思わずフロントから顔を逸らし、そっぽを向く。