今さら恋なんて…
「羽生くん」
「はい」
「この前はごめんね…」
「いえ。どうぞお気になさらずに」
羽生くんはそう言って笑うと、ピーナッツを盛ったグラスを出してくれた。
「そう言ってくれると嬉しい」
「いえ。あの後は…大丈夫でしたか?」
「あ…えっと…」
羽生くんの質問に思わず目が泳ぐ。
だって…きっと、龍哉が部屋を取ってたこと、羽生くんが知らないわけないから…ってか…羽生くんにはあたし達ってどんな関係だと思われてるんだろう…。
「あの時は…相当遊川が心配してましたから…」
羽生くんは少し意地悪な笑みを龍哉に向ける。
「羽生…」
「そうだろ?あんなに慌ててるお前見たの初めてだったよ」
羽生くんはくすくすと笑うと、
「前園様。今日は何を召し上がりますか?」
って、あたしにオーダーを訊いてくれた。