今さら恋なんて…
「んじゃぁ…ワイン系でお任せする」
「かしこまりました」
羽生くんは頭を下げると、カクテルを作り出した。
コリンズ・グラスに氷とレモンジュース、砂糖とお水を入れ、よく掻き混ぜた後、赤ワインが静かに注がれ、美しい2層のカクテルが出来上がった。
「お待たせ致しました。“アメリカン・レモネード”でございます」
龍哉とあたしの前にサービスされたカクテル。
「ストローで下のレモネードだけを飲んでいただいたり、よく掻き混ぜて飲んでいただいたり、お好みの飲み方でお楽しみください」
羽生くんはそうあたし達に勧めてくれた。
「いただきます」
あたし達は顔を見合わせて、まずは下のレモネードだけを飲む。
「うん。美味しい」
「酸っぱいけど美味しい」
「これ、自然と混ざっていくんだね」
「ええ。すごく綺麗ですね」
「うん」
あたしは頷いて、2層がちょうど混ざり合ったところを飲む。