今さら恋なんて…
「あ。いえ…」
「お店に今度伺います。よろしくお願いします」
「はい。お待ちしてます」
頭を下げたあたしに、太田さんはもう一度頭を下げると、ロビーから去って行った…。
「…大丈夫ですか?司さん」
龍哉はそっとあたしの背中に触れて、そう訊いてくれた。
背中がじんわりと温かい…けど、龍哉、まだ制服姿、だよ?
あたしに触っていいの?
思わずそう思いながら龍哉を見上げると、
「?…怒ってます?」
って、眉を下げながら首を傾げる龍哉。
「……怒ってはないけど…」
訊きたいこと、分かってない…とか思いながらも、素直に気持ちは伝えた。
どんな理由でも…お客さん紹介してくれるのは嬉しいし…。
「龍哉、まだ仕事?」
「いえ。もう終わりました」
「…んじゃ、送ってって。それでチャラね」
「分かりました。じゃぁ、着替えてきます」
「ん…」
龍哉はご丁寧にあたしを椅子に座らせると、ロビーを去って行った。