今さら恋なんて…



「あ。いえ…」


「お店に今度伺います。よろしくお願いします」


「はい。お待ちしてます」

頭を下げたあたしに、太田さんはもう一度頭を下げると、ロビーから去って行った…。


「…大丈夫ですか?司さん」

龍哉はそっとあたしの背中に触れて、そう訊いてくれた。


背中がじんわりと温かい…けど、龍哉、まだ制服姿、だよ?


あたしに触っていいの?


思わずそう思いながら龍哉を見上げると、

「?…怒ってます?」

って、眉を下げながら首を傾げる龍哉。


「……怒ってはないけど…」

訊きたいこと、分かってない…とか思いながらも、素直に気持ちは伝えた。


どんな理由でも…お客さん紹介してくれるのは嬉しいし…。


「龍哉、まだ仕事?」


「いえ。もう終わりました」


「…んじゃ、送ってって。それでチャラね」


「分かりました。じゃぁ、着替えてきます」


「ん…」

龍哉はご丁寧にあたしを椅子に座らせると、ロビーを去って行った。



< 357 / 479 >

この作品をシェア

pagetop