今さら恋なんて…
「今日も忙しかった?」
「まぁ、そうですね。…司さんも忙しかったんじゃないですか?」
「まぁね。だけど…曜日の感覚無くなるのよねぇ…。まぁ、来るお客様の顔で判断する、って感じだけど」
「ああ。分かります、それ。スーツ姿の方が少ない日だと、“ああ。週末だな”って思うと言うか」
「シーフォートに出張とかで来る人居るの?」
「ええ。いらっしゃいますよ。とても上質なスーツを着ている方ばかりです」
龍哉は少し苦笑いすると、そう呟いた。
「……」
そりゃ、そうだよね。
普通の出張でシーフォートになんて泊まるワケないもん。
どっかの社長か海外勤務とかしてる人ばっかりなんだろうなぁ…。
「芸能人とか来たりするの?」
思わずこそこそ声でそう訊くあたし。
「…ええ。何度か見たことあります」
龍哉も同じように小声になりながら、そう答えてくれた。