今さら恋なんて…



「はいよー。フロントマンは?」


「……俺はアイスウーロン茶…」


「はいよー」

店員さんはニコニコ笑いながら去って行った。


「丼って開ける瞬間ドキドキするよねー」

何だか子供に戻った気分になりながら、あたしはそう呟く。


「分かります。宝箱開ける様な気分なんですかね」


「そうそう。さぁ、食べよう」


「はい」

あたしは頷く龍哉と一緒にフタを開ける。


炭火で焼かれた鶏肉の香りや出汁の香りが一気に立ち上る。


ふわふわの卵と、真ん中には黄身も1つ乗せられていた。


「…やば。美味しそう…」


思わず呟くと、

「ウチの親子は美味しいよー。はい。ホットとアイスのウーロン茶」

って、店員さんがウーロン茶を置いていってくれた。


「……いただきます」

あたしは木のスプーンで親子丼を口に運んだ。


「……うま」


「…ぷ…。美味しいですね」


「……うま」


「……いっぱい食べてください」

龍哉は至極楽しそうな顔をすると、そう微笑んだ…。



< 374 / 479 >

この作品をシェア

pagetop