今さら恋なんて…
「はいよー。フロントマンは?」
「……俺はアイスウーロン茶…」
「はいよー」
店員さんはニコニコ笑いながら去って行った。
「丼って開ける瞬間ドキドキするよねー」
何だか子供に戻った気分になりながら、あたしはそう呟く。
「分かります。宝箱開ける様な気分なんですかね」
「そうそう。さぁ、食べよう」
「はい」
あたしは頷く龍哉と一緒にフタを開ける。
炭火で焼かれた鶏肉の香りや出汁の香りが一気に立ち上る。
ふわふわの卵と、真ん中には黄身も1つ乗せられていた。
「…やば。美味しそう…」
思わず呟くと、
「ウチの親子は美味しいよー。はい。ホットとアイスのウーロン茶」
って、店員さんがウーロン茶を置いていってくれた。
「……いただきます」
あたしは木のスプーンで親子丼を口に運んだ。
「……うま」
「…ぷ…。美味しいですね」
「……うま」
「……いっぱい食べてください」
龍哉は至極楽しそうな顔をすると、そう微笑んだ…。