今さら恋なんて…
「あー。お腹いっぱい」
「ホントですね。美味しかったから食べすぎましたね」
龍哉はあたしの背中に手を添えて歩きながら、そう返事をした。
「うん。たまにはご飯だけ、っていうのもいいね」
「はい。…あれ?始めの一杯はノーカウントですか?」
「あんなの飲んだうちに入らないよ」
「……ま、そうですね」
「今日は酔っ払いの介助じゃないから楽でしょ?」
あたしはニヤニヤと笑いながら龍哉を見上げる。
「そんなことないですよ。けっこう心配です」
龍哉はそう言うと、するり、とあたしの腰に腕を回した。
「!…ちょ、そうしなくても歩ける、ってば」
いきなり密着度が増して、あたしは動揺する。
「そうですか?いいんですよ。もっとくっついても」
「何のために?」
「……ナンパ避けのため…とか?」
龍哉は苦笑いを浮かべて、そう首を傾げる。