今さら恋なんて…
「お疲れ様です」
そう声を掛けられて振り返ると、初花が立っていた。
「ん。お疲れ様」
そう呟いたあたしだったが、ふと思い出して、
「ねぇ。初花」
って冷蔵庫を覗き込んでいた初花に問う。
「何ですか?」
「龍哉に、あたしが“しつこく口説かれてる”、ってチクった?」
「…ごほっ…」
カフェオレの紙パックに刺さったストローをくわえながら話を聞いていた初花は、そう盛大にむせた。
「……」
犯人はやっぱりこいつか…。
この前、龍哉が来た時、シャンプー任せてたから、龍哉に余計なこと吹き込んだのは初花じゃないかと思ったんだよね。
「す、すみません…店長…」
初花はティッシュで口元を拭ったあと、あたしに頭を下げた。
「謝るくらいなら話すなよー」
「店長…ホントに嫌そうだったから…」
「……」