今さら恋なんて…
これまたクールな感じのイケメンだこと…。
色素が薄い感じの髪や瞳が儚げな美青年、って感じ…。
「お預かり致します。こちら番号札でございます。お帰りの際にお渡しください」
コートと引き替えに、番号札を受け取り、あたしは頭を下げて受付に向かおうと、彼に背中を向けた。
…のだが、思い出してしまった。
「……」
思わず振り返ると、きょとん、と不思議そうな顔をした彼が居た。
「…何か、ございましたか…?」
そう。
この顔。
思い出した。
全部記憶から抹消してたから…思い出したくなかったのに…。