今さら恋なんて…
“可愛い”なんて言われてまた固まってしまったあたしの唇にもう1つ食む様なキスを落とした龍哉は、あたしの頬を撫でながら、
「びっくりさせてしまってすみません…。涙、止まりました?」
って、キャラメル色の瞳を細めながら訊いた。
「……止まった」
まだ呆然としながらも、あたしは呟いた。
突然のキスに気を取られて、すっかり涙は止まっていた…。
「立っていられますか?ティッシュ取ってきます」
龍哉はあたしにそう訊いた後、その場を離れ、ティッシュの箱を持って帰ってきた。
「ここは新郎控え室なんです。今日は使われてないのを知っていたので…勝手に入ってしまいました」
頬に残ったあたしの涙をティッシュで優しく吸い取りながら、龍哉はそう説明してくれた。
その仕草が優しすぎて…キュッと縮む胸が、痛い…。