今さら恋なんて…
「司さんの感受性が豊かなのは分かっていたつもりでしたけど…予想以上でした」
龍哉はそう呟いて、くすり、と笑う。
「……」
恥ずかしくて黙っていると、
「落ち着いたなら、お化粧直し、していきます?」
って、龍哉は背中側にあるドレッサーを指さした。
「……ん」
あたしは頷いてドレッサーに向かう。
でも、ふと龍哉を振り返ると、
「…“可愛い”とか言わないで」
って、微かな抵抗をした。
瞬間、龍哉は声を上げて笑うと、
「突っ込むところ、そこですか?」
って、的確な突っ込みを返したあと、一頻り笑った…。