今さら恋なんて…
「知らない?…砂浜走って、波打ち際で水掛け合うの」
「……」
「知らない、か…」
「……はい」
「んじゃ、いい…」
悲しいな、年の差って…、って思いながら、あたしは龍哉の背中から手を離して、その腕の中から抜け出そうとする。
「え?…怒らないでください」
ぎゅっ、と腕に力を込められて、龍哉に引き留められる。
「……怒ってないよ?」
「本当ですか?」
「うん…」
「…よかった」
龍哉はあたしに近付いて、もう一度腕の中に抱きしめる。
「……」
何か…本気で心配された気が…。
龍哉なら“俺達、年離れてますもんね”なんて軽く毒吐いてくれると思ってたんだけど…思ってたより龍哉はずっと繊細なのかもしれない…なんてあたしはその腕に包まれながら考えていた…。