今さら恋なんて…
「う、ううん。もう1杯、飲む?」
グチャグチャのあたしの頭の中なんて見せられない、って思いながら、あたしはそう龍哉に訊いた。
「あ。いただきます」
龍哉はそう言ってグラスを差し出す。
あたしがミネラルウォーターをグラスに注ぐと、龍哉はそれを半分程飲み干し、
「ありがとうございます」
って囁きながら、冷たくなった唇をあたしの頬に押し当てた。
「っ…」
思わずドキッ、ってして飛び上がると、
「どこにキスしても飛び上がるんですね」
なんて囁かれて、唇をかすめ取られる。
「く、唇が冷たかった、から…」
恥ずかしくて、取って付けた様な言い訳をしても、
「冷たかったですか?すみません」
なんて、龍哉は真面目に返してくれる。
「……」
真面目…、と思いながら龍哉の顔を見上げると、
「?…どうかしましたか?」
って龍哉は首を傾げながら訊いてくれる。