今さら恋なんて…
「お待たせ致しました」
その声と共に、目の前に湯気が立ち上るコーヒーが置かれた。
「あ。ありがとうございます」
コーヒーを持ってきてくれたのはウェイトレスの子だった。
チョコレート色の長い髪を綺麗にまとめた小さな女の子。
名札には“waitress 蜂谷(ハチヤ)”と書かれてある。
「いえ…」
「可愛いねー。高校生?」
頭を下げ、立ち去ろうとしたウェイトレスの子を捕まえたあたしは、興味津々でそう訊いた。
「あ…この春に高校卒業して…ここに就職しました…」
可愛い声でそう言った彼女は、恥ずかしそうに頬を染めた。
あー、可愛いなー。
初々しくて…。
「そっかー。仕事楽しい?」
あたしは頬杖をつきながらそう訊く。