今さら恋なんて…
「あたしのせい…だよね?」
「そんなことないですよ」
「…でも、ちゃんと龍哉が自分の仕事出来たのか心配なくらいの人だったし…」
あたしは先ほど見た光景を思い出しながら呟いた。
「大丈夫ですよ。クレーム等はありませんでしたから…」
「ホント?」
「はい。俺も注意とかされてませんし…」
「そっか…ならよかったけど…」
「はい。司さんが気にすることは何もないです。…まぁ、賭けは見事に俺の負けでしたけどね」
龍哉は意地悪な笑みを浮かべて、そう言った。
「ふふふ。予想以上の結果だったけどねー」
「…それは俺も、ですよ」
「それは自分がイケメンだって改めて自覚したってことー?」
「改めて、って…そんなことないですよ」
「まぁまぁ…怒らないでよ」
あたしはケラケラと笑った後、コーヒーを飲んだ。