今さら恋なんて…
「はい。カフェ・ミモザは2階にございます。あちらのエレベーターをご利用ください」
にこやかな笑顔の彼は、あたしの背中側にあったエレベーターを指しながら案内してくれた。
「ありがとうございます」
「いえ。ごゆっくりどうぞ」
彼に見送られ、あたしはカフェに急ぐ。
吹き抜けを横目に見ながら、カフェに辿り着いた。
「いらっしゃいませ」
入り口で迎えてくれたのは、栗色の短い髪をさっぱりと整えた青年だった。
胸元の名札には、“waiter 袴田(ハカマタ)”と書かれてある。
「待ち合わせなんですけど…」
時間通りに来たけど、きっと相手はすでに待っているのだろうと思って、あたしはそう言った。