今さら恋なんて…
「かしこまりました。ご案内致します」
彼は一礼をすると、あたしを連れて店内に入っていく。
海がよく見える窓際の席に、その男は座っていた…。
「失礼致します。お客様」
彼の呼び掛けに、ビクン、と体を震わせたその男は、あたしを発見して、
「つ、司さん!…ど、どうぞっ」
って、椅子を鳴らして立ち上がる。
「お客様。わたくしが…」
あたしの座る椅子を引こうとする男を制したウェイターの彼は、実にスマートな仕草で、あたしを席に座らせてくれた。
「いらっしゃいませ」
ウェイターの彼と入れ替わりにやってきたウェイトレスは氷が浮いた水のコップを置いてくれる。
「…ホットコーヒーください」
あたしは、目の前の男は完全無視で、彼女に注文をする。