今さら恋なんて…
チリン
「いらっしゃいませ」
純香の声に反応して、あたしはレセプションの方を見た。
すると、コンシェルジュの鷹岡くんが、ひらひらと手を振っていた。
「こんにちは」
「こんにちは。来てくれてありがとう」
「いえいえ」
鷹岡くんは純香に促されてソファーに座りながらそう言って笑った。
コンシェルジュの制服は黒のスーツだったけど、今日の彼は深いグリーンのネルシャツに薄いブルーのデニムで、スーツの時よりは幼く見えた。
でも、ふわふわのくせ毛の持ち主だから、全然似合ってるんだけどね…。
あたしは鷹岡くんがカルテを記入している間に、初花と岳に席を準備してもらうように頼んだ。