今さら恋なんて…
その人の爪の垢をあたしが飲んだ方がいいのかも…。
「やっぱすごいわ、シーフォートって…」
ため息混じりに呟いたあたし。
「ありがとうございます。…また遊びに来てくださいね」
「うん。行く。…ちなみにもう1人の同期くんはどこで働いてるの?」
「バーテンダーをしています。…鑑賞場所にはうってつけかも、ですね」
「おぉ…」
思わず目が輝く。
イケメンバーテンダーと龍哉に囲まれてお酒飲むとか最高じゃない?
「ふふふ。早くバーに行きたくなってきちゃったなー。…さて、髪はこんな感じでどうかな?」
あたしは浮かれた声を出しながらも、髪を切り終え、アタルにそう訊いた。
「くせ毛だから、ちょっと伸ばした方がアレンジしやすいんだけど…社内規定もあるだろうから…潔くサイドと後ろは短くした。トップは横に流すもよし、ふわっとさせるもよし。おでこ出すとぐっとオトナっぽくなるね、アタルって」
あたしはアタルの髪をいじりながらそう説明した。