今さら恋なんて…
「ああ。…あ、司さん、苦手なお酒があったら言っておくといいですよ」
「あ。そうなの?…でも、苦手なのって、ウィスキーくらいかなー」
結婚式の時はオーダー出来るメニューが決まってたから…あんまり考えずにオーダーしてたんだよね…。
「かしこまりました」
羽生くんはそう言うと、カウンターにジンのボトルを置いた。
タンブラーに氷を入れ、ジンを量って注ぐ。
そこに細かな泡を立てる炭酸水を注いで、軽く混ぜ合わせた。
そして、くし形に切られたライムを搾り、グラスに沈める。
「お待たせ致しました。“ジン・トニック”です」
シーフォートのロゴが入ったコースターの上にタンブラーが置かれた。
「龍哉。乾杯」
「はい。乾杯」
龍哉とグラスを掲げ、
「いただきます」
と、あたしはカクテルを口に運んだ。