今さら恋なんて…
「あはは。緊張なんて何だか司さんっぽくないなぁ」
龍哉はそう言って笑う。
そして、
「司さん。彼が俺の同期の羽生(ハニュウ)です」
って、目の前の彼を指しながら紹介してくれた。
「こんばんは。羽生です。よろしくお願いします」
羽生くんはそう言いながら、あたしに名刺を差し出してくれる。
「あ、ありがとう。あたしも名刺…」
あたしは名刺入れを取り出すと、名刺を羽生くんに差し出した。
「ありがとうございます。…前園様。さて、何をお出ししましょうか。まずは軽いものの方がよろしいでしょうか…?」
すらっとした指で名刺を受け取った羽生くんはそう言ってあたしに訊く。
「あ、うん…お願いします」
仕事してきたせいもあって、あんまり強いお酒じゃすぐに酔ってしまいそうだ。
「遊川も同じものでいいか?」