クールな彼と放課後の恋
「お袋が海外に行き始めたのは最近で、さすがに心配だからって親戚が近くに住んでるこの街に引っ越して来たんだ」


そっか。

それで東京からちょっと田舎の方に引っ込んだんだね…


修君の隣にいる稲瀬を見ると、
どうでも良さそうな顔をして頬杖をついてスマホをいじっていた。




「お袋も親父と離婚してから仕事人間になった気がするー。お前が言ったように第二の人生ってやつ?自分のために楽しんで生きてるって感じ」

「わかるわかる!ま、お母さんの人生だから好きにすればいいよー」

「確かにー」


ぶっ飛んだ母親持つと、
子供は大人の考えになるだな。

妙に冷めてるというか…




「さ、ご飯だよ」


テーブルに作ったおかずを並べ、
箸やグラスも用意する。



「日和、味噌汁よそってくれる?」

「はいはーい」


私はお茶碗にご飯を盛った。


急遽稲瀬兄弟をうちに呼ぶことになったから…ご飯もう一回炊き直したんだよね。

きっと男の子だから、たくさん食べるだらうから…



「稲瀬くんたちはご飯の量はこれくらいでいい?…………え?」


お茶碗に盛ったご飯の量を見てもらおうと、稲瀬たちの方へ目をやると…

稲瀬兄弟はテーブルに並べられたおかずを見て、何やら感動している様子。



「ど、どうしたの…?」

「兄ちゃん!これがちゃんとした飯なんだよな!?」

「そうだ。よく目に焼き付けろ…」


は?

目に焼き付けろって……




「こんなうまそうな晩飯初めて見た」

「えっ」


うまそうって…

唐揚げとサラダときんぴらゴボウって感じで、普通だけど?




「お袋は料理全然ダメだったから家庭料理でうまい奴とか食ったことない。兄ちゃんはこっちに引っ越してきてから作り始めたけど、お袋よりはうまいよ」


ふーん…

お母さんそんなに苦手なんだ。

うちのお母さんも料理好きじゃないしなぁ。

そんなところまで親同士似てるんだ…
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