幼なじみ。
「安西さん・・・・昨日、ご両親にはお話ししたんですが・・・」
先生はさっきとは違って、顔が少し険しく、真面目な顔をしてあたしに話しかけてきた。
「病気が徐々に悪化していて・・・・もう、手遅れな状態です」
そ、そんな・・・・嘘だよね?
あたしにはまだまだ先があるよね?
「手術をしても無駄なくらい悪化していて・・・・いつ亡くなられてもおかしくない状況になっています・・・」
「そ、そんな・・・・」
「特に寝ている間に危険な不整脈が出た場合、突然死に至る可能性があります・・・」
再び、先生の口から告げられた『突然死』という言葉。
あたしの心の中は恐怖で占領されていた。
なんで・・・・・なんで・・・・
なんで病気はあたしを選んだのよ。
あたし以外にもたくさんのひとがいるじゃない。
なんで、あたしなの。
あたしの全部が失われて行くじゃん。
夢も陸上も大好きな人も、あたしをずっと大切にしてくれていた家族も・・・
全部奪われて行くじゃん。
なんでそんなあたしの大切なものが全部簡単に奪われて行くの?
あたしは泣きまくった。
先生の前で大粒の涙を流した。