幼なじみ。






親と先生が約束していた時間になった。




先生やあたしの面倒を見てくれている看護師さんが病室に入った。





ベッドの横に置いているパイプ椅子に座って、口を動かし始めた。






「何日間も渡って検査した結果を言います。少し、落ち着いて聞いてください」






緊張が走る。




あたしの心拍数が徐々に上がっている気がした。





「心不全の症状に似た、【拡張型心筋症】です」






か、拡張型心筋症!?




心不全と聞いた時と同じく、聞いたことあるけど、詳しくは知らない。




「拡張型心筋症ってどんな病気なんですか?」




「落ち着いてリラックスして聞いてください。拡張型心筋症とは、心筋の細胞の性質が変わって、とくに心室の壁が薄く伸び、心臓の内部の空間が大きくなる病気です」





あたしの頭の上には?マークが幾つも浮かぶ。




親もあまり理解できていなさそうだった。





「あの・・・それって・・・大きな病気ですか?」





「えぇ・・・難病の一つです」




あたしの頭の中は真っ白なった。



病気になる前の体に比べては、体力も低下したし、疲れやすくなったし呼吸困難も起きるし違いはだいぶとあった。




でも、大きな病気になるなんて思ってもいなかった。それは親も一緒だったみたいだ・・・・





「それに・・・大変言い難いのですが・・・突然死にもなりかねません」




「そんな・・・」





あたしはぼそりとつぶやいた。




突然死。
医者から告げられたのは突然死の可能性だった。




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