悪魔な秘密の巫女男子
風の守護師はにこっと笑った後、
「いや、本気で。」
と言って、
緑の杖をびしっと僕に向けた。
「本気だよ。アサヒさん。
その力が誰かに奪われて、悪用されたら・・・」
「風ちゃんっ」
ルラが心配そうにくるくる
二人の周りを回る。
「わかった。」
彼の心配も もっともだ。
「アサヒも、きてるのか?」
その声に、
僕と、風の守護師はばっと後ろを振り返る。
「ひ、火の・・・守護師。」
思わず、声が上ずる。
そこには、若干顔色のよくなった火の守護師が立っていた。
後ろには
二人の火の兵士。
思わず、眉間にしわを寄せる。
ありがたい事に、頭からかぶっているショールで
巫女の表情までは、見えないはずだ。