四十九日間のキセキ
その言葉を聞いた拓海は自然と涙があふれていた。

「お義父さん、紗弥加は最後に僕に会いに来ていたんでしょうか?」

「そうかもしれないな」

(これで分かったよ、紗弥加が俺のプロポーズを断った本当の意味が。結婚したくても出来なかったんだな? それとデートをしていた時周りの視線がおかしかったのも分かった。もしかしたら周りの人たちには紗弥加の姿が見えていなかったのかもしれない)

そんな風に思った拓海は悔しさをかみしめるようにぽつりとつぶやいた。

「どうして気付いてあげられなかったんだ。紗弥加も紗弥加だ、どうして言ってくれなかった、言ってくれれば一緒に病気と闘うことだってできたのに」

そんな拓海に対し孝之はそっと紗弥加の考えを告げる。

「あの子言っていました、拓海君に負担をかけたくないと」

「そんなの水くさいじゃないか、婚約までした間柄なんだから気を使わなくていいのに」

するとここで拓海はある事を願い出る。

「すみません、線香あげさせていただいて良いですか?」

「もちろんです、あの子も喜びます」

その後線香をあげる拓海であったが、再び涙が止まらなくなっていた。

「ごめんな、気付いてあげられなくてごめんな」

「何言ってんだ、君が謝る事ないんだよ」

「ごめんな、ごめんな」

その後も拓海はいつまでも謝り続けていた。
< 125 / 125 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:7

この作品の感想を3つまで選択できます。

  • 処理中にエラーが発生したためひとこと感想を投票できません。
  • 投票する

この作家の他の作品

【短編】連鎖

総文字数/29,118

青春・友情63ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
イジメは一番恥ずかしい行為という事を分かってください。
淡く儚い月に見守られ

総文字数/112,309

恋愛(純愛)225ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
この作品は短編として書いた『茜色に染まった恋』を長編化した作品です! ☆☽★☽☆☽★☽☆☽★☽☆☽★ ある日離島に住む杏奈の目の前に 突然スーパーアイドルの遥翔が現れた 彼のスカウトによりモデルとして芸能界に足を踏み入れる事となった杏奈 ところが杏奈は先輩モデル亜梨紗の嫌がらせを受けてしまう その後二人の関係は更に親密になっていくが、 ある日遥翔の体に異変が起きてしまった 最期遥翔の病が助からないとわかった時 杏奈は驚きの決断をする! ☆☽★☽☆☽★☽☆☽★☽☆☽★ 中盤から後半にかけて切なくなるラブストーリーとなってます! ☆☽★☽☆☽★☽☆☽★☽☆☽★ 以前から昼間青空にうっすら白く輝く月が儚げで好きだったため、 その月を作中に登場させてみました! ☆☽★☽☆☽★☽☆☽★☽☆☽★ 2013/6/16【完】 2021/9 サイト復帰にあたり大幅改稿しました ☆☽★☽☆☽★☽☆☽★☽☆☽★ 佐々木ゆう様 花道はなこ様 佳川鈴奈様 フェザーフォルテ様より 嬉しいレビューを頂きました。 ありがとうございます! 他サイト様においても公開しました!
希望のあしたへ

総文字数/61,408

恋愛(純愛)119ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
三枝陽菜(サエグサヒナ)17歳 吉田亨(ヨシダトオル)20歳 一度は離ればなれになってしまった幼馴染の二人であったが、 心臓病で入院している陽菜のもとに 柊翔(ヒイラギカケル)として大スターになっていた亨が入院してきた事で再会し そこから二人の物語が始まっていく 2015/05/07【完】 2015/05/10~2015/05/11 少しだけ修正しました 2021/9/23 サイト復帰にあたり大幅修正しました 他サイト様においても公開しております!

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop