愛されオーラに包まれて
『ここですか?』
『はい、そうです』

局長は、広告二部長と越後を交互に見た。

『おかしいですね。調査委員会の場では、前号の9月号がこのクライアントだったからデータを間違えたと言っていたのに、今の話の流れからして9月号と間違えるとは考えにくい。部長が"9月号と同じクライアント"と言う情報を越後に流していたのなら話は別だが』

越後は7月で辞めた派遣社員の代わりに暫定的に8月から広告進行をやっている。

と、バーコードチェックで俺に印を貰いに来た時に言っていた。

部長は局長の質問に、

『いえ、9月号と同じであるとは、越後には伝えていません』

『そうか…と、言うことは、クライアントのデータのありかを教わったのに9月号からデータを引っ張ろうと考えたのは、越後の独断だったわけだな』

ん?

越後は、部長に教えてもらったデータに、10月号のバーコードデータを貼り付ける作業をせず、9月号のデータをそのまま印刷会社に渡したと言うことか?

『現に、広告局のフォルダを拝見すると、【きらきら10月号】の表4データは修正されているものの、更新日時が8月17日の15時すぎ。つまり校了はとっくに過ぎてから修正しているんだ。校了前に修正しているのなら、8月10日までの日付でなければ辻褄が合わない』
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