愛されオーラに包まれて
―バタン!―

扉の閉まる音が響いたと同時に、

『あの、僕たちは関係あるのでしょうか』

広告二部長が局長に聞いてきた。

『これから関係のある話をするんですよ』

遠藤部長があんな態度を取った後なのに、涼しい顔をして局長は言った。

『俺は、調査委員会のような言い逃れできる生ぬるいことはしたくない。部長、まずこちらをご覧ください』

見せたのは、バーコードチェック時の回覧用紙。

『桐生の印は8月8日になっている。次にこっちも見てくれ』

局長が出したのは、広告局のデータ保存をしているフォルダを画面に出した状態のハードコピー。

これを見ると、ひと目で広告局の各データの保存場所や日付が分かるようにまとめられている。
でもこれは、調査委員会に提出された資料と同じもの。

『越後に聞く。表4のクライアントが変更になるからデータを変えろと指示したのは誰だ?』
『部長です』

越後ははっきり即答する。

調査委員会では、越後については謝罪以外の発言の時間を与えられなかった。

『次に、部長に伺います。越後にクライアントを指示した時の指示の仕方を教えてください』
『クライアント名を出して、その会社に変わるから、と、データの場所を教えました』

局長は、先程のハードコピーのある場所を指差す。

そこにはクライアントの会社名とその日付が入っていた。
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