愛されオーラに包まれて

髪はショートボブの黒髪。
身長は165センチの私より7、8センチ低い。

顎が尖った色白で厚めの唇と黒い瞳が凄く大きなくっきり二重瞼の目。
髪型が変わっているけど、間違いない。

由依だ。

多分、彼女は私が今日ここにいることを知らないはずだ。
何故なら、私が龍成社の社員であることをそもそも知らないんだから。

今はお互い仕事中。
由依を驚かしてはいけない。

そっと近寄って、静かに事務的なご挨拶から入ることにした。

「龍成社の社員、持ち場を交代致しました。花村に代わりまして、私、営業局の高松遥香と申します。よろしくお願いします。神戸由依さん」

私がお辞儀していた頭を上げると、驚く顔の由依が視界に入ってきた。

『は、は・る・か?』

すると、お客様が来たので、私達の再会の余韻はすぐにストップ。
暫くお客様の波が続いて、30分ほどで落ち着いた。

『驚いた。龍成社の社員になっていたなんて』
「今日、由依に会えるかなって楽しみにしてきたの」
『そんな、見え透いた嘘はつかないで欲しいな』