愛されオーラに包まれて
結構飲まされたんじゃないの?
随分シラフに近い表情に思える。

局長は泰河にこれまで私が話した内容を報告した。

すると、泰河は

『遥香、まだ言ってないことがあるだろ』

泰河は私の隣に座り、局長は先程と同じポジションに座った。

『偽善者』
「え?」
『あの場で神戸さんにそう言われたんだろ?』

それは間違いない。
私は俯いた。

『花村が断片的に聞こえていたらしい。全部聞こえなかった中で聞き取れたのは"偽善者"と言う言葉だった。花村はデモ販中の段階でお前の様子がおかしいことに気付いて俺に報告してきたんだ』

バレてたか。

ダメだな、私。
花村さんにまで迷惑かけちゃった。

『偽善者って、普通の会話で相手に言うには、あまり穏やかではないワードだな』

局長も考え込んだ様子。

『辛いかも知れないけど、あの時神戸さんに何て言われたのか、正確なところを教えてくれないか?』

私はあのシーンを思い出して、涙がこぼれてきた。

『大丈夫だ。桐生はもちろん、俺だって高松の味方だ。絶対高松を心から笑わせるから』

局長は優しい視線を私に向ける。
だから私は、思いきって話した。
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