愛されオーラに包まれて
『好きな女性には、ずっと触ってたいし、いなくても、その感触や、声や、顔、表情を妄想する時があるんじゃないのかな』

泰河は後ろのベッドに座り、私を持ち上げて、自分とともに横になった。

『局長は"引っ付け"と言ったけど、健康な俺には、引っ付くだけでは終われないな』

"遥香は、俺の"と言いながらキスをする。

深く、深く…

シングルベッドは狭いはずなのに、私達は体を密着している状況で、それを感じることもなく…

結局、窓越しに空が白んで来たのが分かるまで、私達は繋がり続けた。

「どうして、私が泰河をこの家に招かなかったと思う?」
『さあな。でも予想すると、このベッドで別の男に抱かれた思い出があるから、とかかな』
「…」

図星だ。

『それが理由なら、俺が同じベッドを使って遥香に女の悦びを与えるよ。過去のことなんて、忘れさせてやる』

日曜日は夕方まで私のアパートで"引っ付いた時間"過ごし、それから泰河の家に移動して、月曜日に備えた。

『局長が、何を考えているのかは分からないけど、俺達の上司を信じて、とにかく待とう』

と、泰河と話し、週末が終わった。
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