愛されオーラに包まれて
『高松があの時神戸とのペアに固執しなかったのは、しなかったわけじゃなくて、できなかったんだ。そうじゃなくても、神戸自身が誤解を受けやすく、本人も誤解しやすい性格で、バイトをするのに部活を休んでいたことを快く思っていない部員も多かった』

『先生』

高松が止めに入るが、構わず続ける先生。

『その中で高松が進言して、例えばその進言通りに高松と神戸をペアとする形に決定を覆してしまうと、神戸が部活を休んでいることを逆に罵られてしまう。そうなると神戸の立場が悪くなるだろ。みんなから神戸が嫌われるのではなく、自分だけが神戸に嫌われることを高松は選んだんだ』

『先生、約束破りましたね。由依に話すなって言ったのに』
『もう時効だろ』
「と、言うことだ、神戸さん」

俺は神戸さんに伺う。

神戸さんは、机に突っ伏した。

静かに泣きだした。

『悪いな、健吾。これから俺、教育委員会に行かなければならないんだ。テニスコート、好きに使っていいから。でも、終わったらコート整備よろしくな』
「わかりました。お忙しいところありがとうございました」
『高松、神戸、仲良く頑張れよ~』
『はい』

慌てて顔を上げて返事をした神戸さん。

慌ただしく教室を出ていった弓削先生。
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