愛されオーラに包まれて
「保留にしなければならない理由って、何?断るか、OKするかじゃないの?」
『それがさ、あまりに向こうの身分が高すぎてね・・・釣り合わないと思ったから』

身分が高い?
どこの王子様だろう。

「でも保留にしていたってことは、断れなかったわけで、断れないってことは、由依も身分差さえなければ、その人のことが好きなわけで、現在はそれが実ったってわけだ」
『うん。お父さんがあの人だからってわけではないけど、あのみんなで群馬に行った後で、気持ちに正直に生きようって思ったら、急激に彼が心に入り込んできた』

そうか。
とても彼が気になる。

「やろうよ、ダブルス。泰河も喜ぶよ、きっと」
『うん。その時紹介するね』

それからテニスコートの予約するのに"彼はホテルマンなので、できれば平日の方がありがたい"と由依に言われたので、9月中旬の木曜日に設定した。

泰河にもメールで連絡したら、

―"神戸さんの彼氏を拝めるなんて、喜んで行かせていただくよ"―

と返信が来た。

その前に、みなみちゃんのサイン会、がんばらなくちゃ。
< 244 / 345 >

この作品をシェア

pagetop