愛されオーラに包まれて
『相変わらずだなぁ』
「何が?」
『鳥越さん。愛想ないよね』
「うん。確かに。鳥越さんって、入社何年目だっけかな・・・」
『6年目』

みなみちゃんが即答した。

『龍成社に入社し、最初は【MEN'S DREAM】にいたけど、昨年6月からGirl's Leaf編集部に異動して白石うららの担当。現在に至る』

スラスラ話すみなみちゃん。

「私よりも良く知っているじゃない」
『当たり前』
「当たり前か。鳥越さんがここに帰ってきたら、私、戻るよ」
『戻っちゃうの?』

私は察した。

「お邪魔虫は早めに消えないと。仕事もあるし」
『タイちゃんはいないの?』
「会議中」

すると、静かにみなみちゃんは笑った。

『遥香ちゃんのような人にはごまかせないね』

マジックのキャップを閉めながら、みなみちゃんは話す。

「お正月の時に言ってた"本命"って、鳥越さんのこと?」
『そう。でもさ、私の前でもいつもあんな感じか、罵声を浴びせられるか。優しい時もあるんだけど』
「なら、何で鳥越さんを好きになったの?」

鳥越さんはぶっきらぼうで、口数は少ないし、表情もないし、無精ヒゲ生やして、服装にも無頓着。
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