愛されオーラに包まれて
『そんなの、言葉で説明できない。私がわがまま放題に撮影を中断させた時に、異動してきたばっかりの鳥越さんにものすごく怒鳴られてからだから』

これぞ、恋に"堕ちる"というものか。

『でも、鳥越さんは私を商売道具にしか思っていないし』
「どうしてそう思うのよ」

みなみちゃんはうつむいた。

『鳥越さんにそう言われたから』
「でも諦めていないんでしょ?」
『うん。でも告白して嫌われるのが怖くて』

ここで、鳥越さんが帰ってきた。

『進んでるか?』

いえ、全く進んでません。

『高松、お前は応援しにきたのか?それとも邪魔しに来たのか?』
「すみません」
『うらら、頑張って終わらせたらお前の好きなプリンやるから、頑張れよ』
『ほんと?頑張る!』

私は、"私、戻るね"と伝えて、会議室を出た。

鳥越さんの良さが私には分からないけど、みなみちゃんの想いが伝わればいいな、と思った。
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