愛されオーラに包まれて
せめて、"遥香は俺の女だ"と言えれば良いのだろうけど、言えばどちらかは部署の異動だ。

でも、部署の異動と遥香と帰る家が一緒なこと。
その二つを天秤にかけてみると、比重がだんだん・・・変わっている自分に気付いた。

なぁ、遥香。
間もなく帰るから、俺の家で待っていてくれないか?

まぁ、それは昨日から決まっていたことなんだけど、今はとにかく帰りたくて仕方なかった。

でもウツにフォローをすることは忘れなかった。

『遥香ちゃん、帰って正解だよ。アンタも早く帰ってあげな』

と言ってくれた。

周りはそうやって、俺達のことを応援してくれている。
俺としては、もう遥香以外との恋愛は考えられない。

そして、このままの環境では物足りなくなっていた。
俺も、ウツにとっての米原さんのように・・・遥香の特別になりたい。

蒲田のような輩が現れた時、堂々と前に出られる男になりたい。

そう思ったら、俺の心は・・・固まっていた。
< 280 / 345 >

この作品をシェア

pagetop