愛されオーラに包まれて
『局長が私のことを評価してくれたのは、嬉しいかな。そんな人の元で働けるなら、こんな幸せなことないし』
「俺は、妬けるけどな」

秘書って、担当になった役員とマンツーマンでパートナーとして仕事するわけだろ?

しかもその相手が遥香がかつて好きだと公言していた局長だ。

『その、泰河の"ヤキモチ"な部分についても、ちゃんとするって』
「どういうことだよ」
『さあね。私には"近いうちに分かることだから"って、よくわからないこと言ってたけど。結婚していることを公表でもするんじゃない?副社長になると、奥さんを外に出さないわけにいかないでしょ』

遥香の憶測は多分正解だろうな。

いずれにせよ、来月からは遥香のいない営業局。
石井の言う寂しい辛さを乗り越えなくちゃ。

翌日の朝礼で、局長の副社長の就任と、遥香たちの人事異動が発表された。

俺は、遥香から六部の引き継ぎを受けるという密接な状況。

まぁ、お互い"高松""桐生さん"と呼び合って、公私混同はさせてないけどね。

遥香が異動するまで1週間しかないため、俺は遥香と一緒に今まで面識のない販売会社の書籍担当にも挨拶をして、今まで縁のなかった社内でも会わない編集や製作の人との打ち合わせに参加したり、書籍の事務処理の部分の引き継ぎも受けた。
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