愛されオーラに包まれて
『金澤は、自分が辞めるのに、割とサバサバした明るい雰囲気だったからさ。どうしてなのかな?って思ったから。こういう事情があるなら、納得かなって』
「かなり勿体ないけど、これからは副社長夫人として、社交の場にも出るんだね」
『間接的には、龍成社の役に立てることなんじゃない?そういうこともさ』
「かもね」

泰河は冷蔵庫から麦茶を出した。

『お前も飲む?』
「うん」

テーブルに座って、麦茶を飲んでいる私達。

『遥香を秘書として引っ張ったのは、実は副社長と金澤の2人の指名らしいぞ』
「え?そうなの?」
『得体の知れない女の子に秘書をやられるくらいなら、未経験でも遥香にしろって、金澤なりの嫉妬からの推薦らしいけど。俺としては迷惑だなぁ』
「大丈夫。私は泰河しか見えてません」

と、私は泰河の額に自分のを当てた。

「ねぇ、お風呂入ろうよ」
『それって、お誘い?』
「もちろん。副社長の恋バナを聞いたら、私も泰河に愛されたくなっちゃった」
『奇遇だね。俺も遥香のことを愛したくなっちゃった』

2人で微笑んで、お風呂で逆上せない程度に愛し合った。

でも、それだけでは、足りないよね・・・
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