愛されオーラに包まれて
○7月5日~side TAIGA~
日付が7月5日に変わったその時。
俺達は今、区役所の夜間窓口にいる。

このタイミングで入籍しようと、書類を揃えていた。
無事に2人で提出が済み、車へと戻る俺達。

「よろしくな、奥さん」
『よろしくお願いします、旦那さま』

遥香の笑顔が、街灯に照らされて一層輝いて見えた。

車は、今回の式場からほど近いゴールドクラウンホテルへ向かう。

式自体はホテルを使わないが、会場自体に宿泊施設がないため、遠方の前泊者はこのホテルを使ってもらう。

例えば、遥香のお父さんと可南子さん、とか。

俺達も前泊。
でも俺に明日のことを考える余裕が、今はなかった。

俺は、遥香を"可愛い"と思ってしまったら、それだけで・・・
そして今回の展開は自分でも読めていた。

入籍したら、ホヤホヤの自分の奥さんを可愛がりたい。
絶対そう思うと自分で分かっていた。

『ねぇ、どうしたの?黙っちゃってさ。眠いの?』

時刻は午前1時。
確かに眠い時間だけど、とにかく部屋に入ってシャワーを浴びた。

遥香がシャワーを出て、下着を身につけようとしたので、

「付ける必要ないよ」

と、それを取り上げた。
そしてそのまま遥香を抱き寄せると、耳打ちした。

「愛する奥さんを式の前に抱きたい」

と。

遥香は一瞬驚いたけど。すぐに微笑んでくれた。
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