愛されオーラに包まれて
『でも、それを許す状況を作った遥香ちゃんにも責任はあるんじゃない?』
「それは…私も感じます」

私も、白ワインをひと口飲んだ。

『あ、それ1杯飲んだらウーロン茶か水にしてね。私、桐生くんのように遥香ちゃんをおんぶできないから』
「そう、ですね…」

サラダを食べ終えて、スープが来る。

木村さんは"カボチャの冷製スープです"と紹介したけど、今まで飲んだカボチャの冷製スープと全然味が違う。

「凄く、美味しいです!」
『ありがとう』

木村さんは微笑んでまた定位置に戻った。

『あのさ、今、遥香ちゃんは桐生くんにどんな感情持ってるの?嫌い?後悔?懺悔?』
「何かマイナスな感情の選択肢しかないですね」

私はうつむきがちに言う。

『じゃぁ、好き?歓喜?楽観?』

玲奈さんは矢継ぎ早に聞いてくる。

「正直、よくわからないです」

私は、どうしたらいいのか分からないでいた。
だから桐生さんと話さないようにしているうちに、どの人にも同じ対応になってしまっている。

『良く分からないならさ、がっかりする必要ないでしょ。何に対してがっかりしょんぼりしてるの?』
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