愛されオーラに包まれて
『やっぱり』

局長は渋い顔をして再び玲奈さんと話す。

『今高松が確認してくれた。間違いないよ。雑誌進行の担当者は誰だった?…うん…うん、分かった。あとはこっちでコントロールするから、お前はこっちに戻って来い』

局長は受話器を置くと、フロアに響く声を出した。

『きらきら10月号で搬入事故。表4のバーコードが9月号のものになってる。とりあえず誰か、第2会議室に電話して遠藤部長をこっちに戻るように言って』

"はい"

表4とは、裏表紙のこと。
そのバーコードが、前の号のものが印刷されてしまった。

どうするんだろう…

『急いで製品に正しいバーコードのシールを貼る作業をする。まず、高橋、製作局に行って10月号のバーコードシールを出来るだけ早く製作できそうな業者を当たってくれ。そして内線でいいから進捗状況を俺に報告しろ』
『はい!』

五部の高橋さんが走る。

『次に、石井、きらきらの搬入表を拡大コピーしてホワイトボードに貼り出せ。あと普通のコピーも取って、山内と飯嶋に渡すんだ』
『はい!』

『山内と飯嶋はその搬入表をもとに各販売会社に連絡しろ。そして合わせて状況の変化に応じて細かく連絡し続けることを約束しろ』
『はい!』
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