愛されオーラに包まれて
『高松は…』

局長が私の名前を言ったところで、派遣社員の人の声が被った。

『第2会議室、電話に出てもらえません』
『遠藤部長の携帯は?』
『そこで鳴ります』

派遣社員の人が指を差すのは、遠藤部長のデスク。

『まったく、しょうがないなぁ。高松、お前は第2会議室に乗り込んで、遠藤部長を引っ張り出せ。部長が四の五の言うようなら、俺の名前を出せ』
「分かりました!」

私は走った。

第2会議室に到着。
時間はないけど、一応ノックはしてみる。

すると、出てきたのは女性誌の編集部の人。

『君、新入社員の子?困るんだよ、会議の邪魔されたら。電話もしたでしょ。大事な会議なのが分からないの?』
「遠藤部長をお願いします!この会議より、何より今、事故が起きてる対応の方が大事なんです!」

私はその編集部の人を振り切って、会議室に入る。

「遠藤部長、きらきら10月号で搬入事故です。すぐ営業局にお戻りください」

遠藤部長は、局長よりさらに年上の、顔からして刺のある女性だ。

『誰かと思えば高松さんじゃない。いい度胸してるのね。きらきらなら、桐生に任せればいいじゃない』
「桐生さんは今日お休みです!」

こんなやりとり自体が無駄だ。

『どんな事故なのよ』

私はバーコードの件を遠藤部長に話した。
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