*あかずきんちゃん*

頭が真っ白になっていると、今度はぼくの口にあたたかい何かが当たって――……。


ちゅっ。



リップ音が聞こえた。




「ほっ、ほぎゃああっ!?」

変な声を出したのはもちろんぼく。


だって、だってだってだってだって!!

赤ずきんちゃんの口とぼくの口が重なってしまったんだ。



「ご、ごめっ!!」

慌てて飛び退こうとするのに、だけど赤ずきんちゃんの手がぼくの腕に巻きついて離れない。


「え? え? ええ?」


動揺を隠せないぼくの心臓は、もうバックンバックン言ってる。


だって、とっても大好きな赤ずきんちゃんとキスしたんだよ?

動揺しない方が無理っていうもんだ。


狼狽(うろた)えているぼくの下――。

赤ずきんちゃんはとっても小さな声で、ぼそり。


「それでもいい」って言ったんだ。

それでもいいってどういうこと?

だって、ぼく。

ぼくは……。



「よくないよっ!! ぼくは赤ずきんちゃんが好きなんだよ? ものすごくひどいことするかもしれないんだよ?」



大好きな赤ずきんちゃん。

その彼女が自分のことをどうでもいいように言うのは、とても悲しい。


だからぼくは今までに出したことがないくらい大きな声を出した。


「いいのっ! わたしもアンタが好きだからっ!!」


顔を真っ赤にして俯く赤ずきんちゃん。


ぼくは真っ白になった頭を必死に回転させる。



――え?

好き?


好きって……えっ?


えええええっ!?


「ほんと……に?」

俯く赤ずきんちゃんの顔を覗けば――……。


いつも白い肌をしたかわいい顔が真っ赤になってた。




ボンッ!!




その顔を見たとたん、ぼくの顔も真っ赤になる。

顔から火が出るほど恥ずかしい。


――でも、でもぼくは今、それ以上に赤ずきんちゃんが欲しいって思ってしまっているんだ。



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