*あかずきんちゃん*
赤ずきんちゃんをこれ以上、傷つけたくないよ……。
そう思った時、ぼくの体は勝手に動いた。
赤ずきんちゃんの腕を掴み、細い体を持ち上げる。
そうしてわかったのは、赤ずきんちゃんはぼくよりもずっと軽いっていうことだ。
ぼくは地面の上で寝転がせ、赤ずきんちゃんを抱きしめる。
「あ、いやっ!!」
震える赤ずきんちゃん。
きっとさっきの出来事を思い出しているんだ。
ごめんね、そうだね。
怖い思いをさせてるね……。
ズキズキ、ズキズキ。
痛む、ぼくの胸。
大好きな女の子を怖がらせてしまっていると思うと、胸が引き裂かれそうに痛む。
「ぼくが怖いでしょう? ……だから、もう会わない方がいいんだよ。
ぼくは、赤ずきんちゃんをこうして抱きしめたいってずっと思ってたんだ……。
こいつらと一緒だね」
ぼくは、震える彼女から手を離した。
これでもう終わり。
彼女は、もうぼくに口をきいてさえもくれないだろう。
そう思った。
……ハズだったんだけど……。
グイッ。
――え?
ぼくのとこだけ思い切り重力が働いて、また赤ずきんちゃんの上に被さった。